レシピの話
フランス地方料理を巡る旅
トウモロコシの粉を使ったペリゴールのお菓子・ミヤス
ペリゴール地方の料理のご紹介をしてまいりましたが、ミヤスというシンプルなお菓子もご紹介いたします。ペリゴールを始め、ヌーベル・アキテーヌ地方は一日の日照時間が長いことから、良質なトウモロコシが栽培、収穫されています。そして鴨の一番の飼料になっているのが、このトウモロコシ。フランスで一番と言われるフォアグラを生み出している秘密はこのトウモロコシにあるといっても良いでしょう。レストランなどでフォアグラの付け合わせにブリオッシュが添えられることが多いですが、「ポレンタ」のようにトウモロコシの粉を使ったガトー(甘かったり、塩味だったり様々)が添えられているのも良く見かけます。鴨を育てたのがとうもろこしだとしたら、相性が良いのも納得ですね。
「ミヤス」は millet(粟/あわ)で作ったのがミヤスの始まりと言われています。アジアから伝わり、やがてフランスではトウモロコシの粉を使うようになったのだとか。アキテーヌ地方でも場所によってレシピにも様々なバリエーションがあるようです。今回のレシピはかぼちゃが材料に入っています。柑橘系のアクセントを加えたり、フルール・ドランジュ(オレンジの花の香のエッセンス)を加えたり、カボチャは入らず、とうもろこしの粉だけを使ったり、小麦粉を使うものなどがあります。このミヤスも、甘くせずに焼くと立派な鴨やフォアグラの付け合わせに。
トウモロコシの粉が料理、ガルニチュール、お菓子にとバリエーションを変え、用いられていることろが興味深いですね。
材料
<材料>(直径19㎝のマンケ型1台)
- カボチャ : 300g
- とうもろこし粉 : 100g
- 砂糖 : 120g
- 卵 : 3個
- 薄力粉 : 30g
- 牛乳 : 100ml
- イースト : 3g
- バニラ : 1/2本
- バター : 適量
- ラム : お好みで
作り方
- カボチャをスチコンで加熱(スチーム・30分)。漉し器(タミ)で漉し、ピューレにする。
- ボールに1のピューレを入れ、薄力粉・砂糖・イースト・卵・牛乳・バニラを加え、混ぜる。
- マンケ型をブーレし、生地を流し、1時間休ませる。
- スチコンで加熱する。(ホットモード・180℃・30分)
- 焼き上がったら、冷ます。粗熱がとれたら型から外す。
とても素朴な味わいのミヤス。冷めても温かくても美味しい。