活動の軌跡
開催報告
~ 横浜ガストロノミ協議会 × 東京ガス コラボ企画 〜
第3回 横浜ガストロノミ協議会シェフによるオンラインセミナー 「鎌倉野菜とイタリア地方料理の融合」 講師:大井 務 氏(インターナショナルキュイジーヌ サブゼロ 料理長) < 開催報告 > |
2021年11月2日(火)「横浜ガストロノミ協議会」との共催、第三回オンラインセミナーを「厨BO!YOKOHAMA」を発信会場として開催しました。セミナーの様子と実演いただいたお料理をお伝えします。
〖 一皿目 〗
『 低温で火を入れたミルクフェッドヴィール(仔牛)のツナソース
秋の鎌倉野菜と白トリュフ風味 』
調理説明
ミルクフェッドヴィール(仔牛)はクールブイヨンと共に真空パックし、低温で2時間加熱し、粗熱をとった後、EXオリーブオイルと赤ワインビネガーをふりかける。鎌倉野菜数種は下処理後、ヴィネグレットで和え、彩良く盛り付ける。ソースは作ったマヨネーズにツナ、アンチョビ、ブランデー、グラスドヴィアンド、生クリームなどを混ぜ合わせたもの。中央の卵黄は24時間冷凍したもの。トリュフ塩がかかっている。、仕上げにスライスしたての白トリュフを添える。
〖 二皿目 〗
『 シャラン鴨腿肉のコンフィのアニョロッティ・プリンとその胸肉のロースト
フォアグラ添え グリーンペッパー入りマデラソース秋の鎌倉野菜と白トリュフ風味 』
調理説明
鴨腿肉のコンフィ、鴨の胸肉のロースト、フォアグラのソテー、アニョロティ・プリン(ポレンタを加えた生地に鴨肉とチーズを加えたファルスを詰めたもので、その形が羊の背中が並んだように見えることからこの名前がついたそう。)鴨の餌であるトウモロコシの粉(ポレンタ)を使うため味の調和も良く、鴨づくしの一皿に。カルフォルニアの厳選されたチーズ、コルビージャックをソースとファルスに使用。加熱しても美しい色が残ること、他の食材と合わせやすく、料理に深みを与えることができる。鴨腿肉は5時間かけてコンフィに。鴨胸肉は真空にして低温調理後、焼き色を付ける。フォアグラはソテーする。
ソースはマデラ酒ソースとコルビージャックソースの2種類。鎌倉野菜は下処理し、ヴィネグレットで和える。ピンクペッパーやミニョネット、ハーブを添えて仕上げる。
▲アニョロティ・プリンは生地作りから
生地は牛乳、オリーブオイル、バターなどを加えた水を沸騰させ、ポレンタ粉を入れ混ぜ合わせ、さらにオーブンで加熱後、強力粉や卵白、卵黄を加え、艶が出るまで練る。真空パックして冷蔵庫で3時間休ませた後、パスタマシーンで1㎜厚にのばす。鴨腿肉ミンチとほぐした鴨腿肉のコンフィ・卵をロボクークにかけ、チーズ、ブラックペッパーも加え、さらにロボクープにかける。コルビージャックの食感を少し残す。ファルス1個あたり10gを生地で包んでいく。2分30秒茹でる。
▲講師の大井シェフ
▲オンラインセミナーがスタート。冒頭挨拶のシーン。
講師、サポートをしてくださった横浜ガストロノミ協議会のシェフの方々
(左より)竹田直人シェフ(横浜マリンクラブ)、鈴木氏(サブゼロ大井シェフアシスタント)、難波秀行シェフ(ペタル ド サクラ)、山下英児料理長(日本料理梅林)、齊藤悦夫総料理長(ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル)、大井務料理長(サブゼロ)、飯笹光男料理長(シェ・フルール横濱)
▲齊藤悦夫シェフ(ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル 総料理長)に代表して試食していただき、味や香り、食べた感想などについて詳しく伝えていた
たきました。齊藤シェフには次回のセミナーの講師を務めていただく予定です。
▲オンラインセミナー終了後の写真。シェフのみなさま、ほっとしたような少し和らいだ表情です。ありがとうございました。
今回使用した鎌倉野菜
▲手前のオレンジはズッキーニが成長したもの。メロンのような香り。
▲料理に使用される花ズッキーニは朝、花の中に綿などを詰めて出荷される。後方に写っているのが成長したズッキーニ
セミナーでは神奈川県産鎌倉野菜について「カトーコーポレーション」加藤氏の畑での取材インタビュー動画を紹介。鎌倉野菜の発祥や不耕起栽培農法などについて伺いました。
厨BO!シェフ感想
当日は、動画でご登場いただいた加藤さんの畑から数十種類の新鮮な鎌倉野菜を大井シェフにご用意いただきました。時間がなくひとつひとつのご紹介はできませんでしたが、そのみずみずしさは、画面を通してご視聴いただいた皆様に感じていただけたと思います。 大井シェフのお料理は、厳密な温度管理による現代的な調理技法と伝統的なイタリア地方料理が絶妙に組み合わさり、そこに鎌倉野菜が彩りを添える、まさに「融合」のお料理でした。一般的に素朴なイタリア料理とは一線を画す、鮮やかな盛り付けも大井シェフの感性がもたらすもので、大桟橋「サブゼロ」の絶景のロケーションにも負けない力強さを持つ二品でした。 仔牛とツナソースの意外な組み合わせや鴨の様々な部位を別々に調理して一皿にまとめた構成など、イタリアの古典料理、地方料理に精通している大井シェフならではのお料理で、試食した横浜ガストロノミ協議会のシェフの皆さんも関心しておられました。 毎日、厨房で忙しく、人一倍調理に集中している職人肌の大井シェフですので、口数は少ないのですがナビゲートしていただいた飯笹シェフや横浜ガストロノミ協議会のシェフの皆さんのサポートで、とても素敵なオンラインセミナーとなりました。 |
今後も横浜ガストロノミ協議会とコラボしたセミナーを開催していく予定です。ご期待ください。どうぞお楽しみに。
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横浜ガストロノミ協議会は、横浜を「世界に通用するグルメ都市」にする、という構想のもとに発足し、地場産業の活性化に向けた「地産地消」を伝える活動や、次世代の食の担い手の育成活動などに尽力されています。
※「横浜ガストロノミ協議会」公式ウェブサイト
https://www.yokohamagastronome.com/
開催日 | 2021年 11 月 2日(火)15:00~16:30 |
講 師 | 大井 務 氏 「インターナショナルキュエイジーヌ サブゼロ」料理長 横浜ガストロノミ協議会 会員 1970年岩手県生まれ。 |
ナビゲーター | 飯笹 光男 氏 「シェ・フルール横濱」総料理長 横浜ガストロノミ協議会 理事長 辻調理師専門学校を卒業後、横浜元町・老舗フランス料理店「霧笛楼」で10年修行。 その後、藤沢・フランス料理の名店「名古屋」、横浜「メイフェアハウス」料理長を経て、1996年11月「エルミタージュ」をオープン。 10年間、料理長を務めた後に独立。2007年10月「シェ・フルール横濱」をオープン。映画「南極料理人」では料理監修を担当。 |
内容 | 鎌倉野菜とイタリア料理の融合をテーマにした二品の実演「低温で火を入れたミルクフェッドヴィール(仔牛)のツナソース 秋の鎌倉野菜と白トリュフ風味」、「シャラン鴨腿肉のコンフィのアニョロッテイ・プリンとその胸肉のロースト フォアグラ添え グリーンペッパー入りマデラソース」の実演 鎌倉野菜の農園訪問レポートと鎌倉野菜についての紹介 |
主催 | NPO法人横浜ガストロノミ協議会 / 厨BO!YOKOHAMA(東京ガス株式会社 都市エネルギー事業部) |
企画 |
厨BO!YOKOHAMA / フランス料理文化センター |
食材協力 |
カルフォルニアミルク協会、マイユ、エスビー食品株式会社 |
発信会場 |
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」 |