活動の軌跡

開催報告

【日本料理編】第2回 横浜ガストロノミ協議会シェフによるオンラインセミナー

~ 横浜ガストロノミ協議会 × 東京ガス コラボ企画

第二回 横浜ガストロノミ協議会シェフによるオンラインセミナー
「かながわ野菜でうなぎ三昧、炊き立てご飯とともに


開催報告


IMG_9230.jpg▲セミナーをサポート、講師を務めていただいた横浜ガストロノミ協議会のシェフ・料理長の皆様 (左より)竹田直人シェフ(横浜マリンクラブ)、難波秀行シェフ(ペタル ド サクラ)、山下英児料理長(日本料理梅林)とアシスタントのお二人、飯笹光男シェフ(シェ・フルール横濱)、小山英勝シェフ(ストラスヴァリウス)

 2021年8月4日(水)「横浜ガストロノミ協議会」との共催、第二回オンラインセミナーを「厨BO!YOKOHAMA」を発信地として開催しました。講師には、創業79年の名店「日本料理梅林」の三代目店主 山下英児総料理長をお迎えし、同店の看板料理であるうなぎ料理のバリエーションを「かながわ野菜」とともにご披露いただきました。ナビゲーターには今回も理事長飯笹光男シェフに務めていただきました。鰻をはじめ、今回使用した食材、神奈川県産の野菜とお米や、また和食の調理技法についてのお話しを伺いながらセミナーが進行されました。

IMG_9330.JPGのサムネイル画像▲実演いただいたうなぎとかながわ野菜を使った3品と土鍋ご飯

今年の夏の「土用丑の日」は7月28日。特に土用丑の日にうなぎを食べると夏負けしないと言われることから、この時期に「うなぎ」を食べる方は大勢いらしゃると思います。今回のセミナーでは、旬である栄養満点のうなぎとかながわ野菜を組み合わせた献立「うなぎ大和蒸し」「うなぎ燻製土佐酢ジュレかけ」「うなぎの柳川仕立て」「土鍋ご飯」とまさにうなぎ三昧。「ご飯の炊きあがりに全て合わせることが重要」とのことで、神奈川県で初めて特Aランクに認定されたはるみ米を土鍋で炊くコツも伺いました。
さらに、料理長の計らいで、貴重な島根県宍道湖産の天然活けうなぎ(お腹が黄色)と愛知県一色産養殖活けうなぎ(あおうなぎ)を見せていただくことができました。

IMG_9237.JPG▲腹が黄色く、背が黒い島根県宍道湖産の天然うなぎ


IMG_9226.JPG▲今回使用したのは全てかながわ野菜

IMG_9220.JPG▲神奈川県で初めて特Aランクに認定されたはるみ米

調理デモンストレーションは、土鍋でご飯を炊くところからスタート。かば焼き、白焼きを3品に仕立てるための作業中に「関東は背開き、関西は腹開きで使用する包丁が違い、関東は蒸してから焼き、関西は地焼きである。」「このように和食は、地域によって仕込み方や呼び名が違う。その違う味わいを楽しめるもの。」という印象的なお言葉がありました。
IMG_9229.JPG日本料理ならではの技法で、ひとつひとつの野菜を丁寧に下処理していきます。中でも冬瓜の皮目をきれいな翡翠色に仕上げたり、おくらのうぶ毛を取り、色よく茹で上げたりするための重曹塩の使い方。また、水ナス(ごちそうなす)は水分が多く、身がしっかりしているので、揚げても余分な油を吸わず形もきれいに仕上がること、切り口に片栗粉を付けて揚げるのは、ナスのうま味を逃さないようにするためであることや、その後に蒸すため身がしっかりしたものが良いことなどコツを教えていただきました。なすや冬瓜は揚げたり、茹でてから、蒸して、出汁に漬けて仕上げると、美しい色がとどめられ、野菜のうま味や香りが残る絶妙な仕上がりになります。これだけの手間をかけることで完成する一皿、まさにプロの技です。

IMG_9303.JPG▲「うなぎの柳川仕立て」

IMG_9318.JPG▲うなぎ燻製土佐酢ジュレかけ

五色の食材を美しく盛り付け。日本料理は赤、黄、青(緑)、白、黒の五色を大切に盛り付けることを意識しているとのこと。うなぎは白ワインを塗り、りんごチップで燻製に。土佐酢にはマイユの白ワインビネガーを使用。この組み合わせ、相性が良いとのことでした。

IMG_9321.JPG▲うなぎ大和蒸し
大和芋ではなく、今回は自然薯を使用。盛り付けてから蒸して仕上げる

IMG_9319ご飯.jpg▲お客さんからの注文が入ってから、うなぎの蒲焼きの仕上がり時間(約45分間)に合わせて炊かれるご飯。水とお米の分量はg単位で調整される

IMG_9308.JPG▲「野菜の魔術師」と呼び名の高い難波シェフ(ペタルドサクラ)に代表でご試食いただきましたが、改めてかながわ野菜の味わい、うなぎとの見事な組み合わせ方に感嘆されていらっしゃいました。

最後に

調理デモンストレーション後に「梅林」79年の歴史もお話しいただき、日本料理の技術を伝承し続け、地元に長く愛されるお店であることを改めて感じました。今回、うなぎと組み合わせた野菜はすべて神奈川県産。神奈川県は食の宝庫であり、地元の野菜を使いたい料理人の方々とのネットワークの強さを感じました。

厨BO!シェフ感想

" うなぎ " と言えば " うな重 "。「梅林」では、お客様から注文が入ってからうなぎをさばき、調理をはじめるそうです。焼き上がるまで約45分。その焼き上がるタイミングに合わせてご飯が炊きあがるように神経を使い、またお釜や土鍋を使い分けるそうです。まさにプロフェショナル。今回は、神奈川県十日市場の佐藤農園で作られている特A「はるみ米」を使い、美味しいご飯の炊き方も教えていただきました。
オンラインセミナーでは、調理デモ後、同じガストロノミ協議会のメンバーで、仲間内では「野菜の魔術師」の異名をとる難波シェフ(ペタルドサクラ)が試食と食レポを担当していただきました。冬瓜、茄子、ごぼう等の味わいに目を丸くし、そしてうなぎの美味しさに感嘆され、沢山コメントしていただきました。

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今後も横浜ガストロノミ協議会とコラボしたセミナーを開催していく予定です。ご期待ください。どうぞお楽しみに。

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横浜ガストロノミ協議会は、横浜を「世界に通用するグルメ都市」にする、という構想のもとに発足し、地場産業の活性化に向けた「地産地消」を伝える活動や、次世代の食の担い手の育成活動などに尽力されています。
※「横浜ガストロノミ協議会」公式ウェブサイト
https://www.yokohamagastronome.com/

■ 講師紹介 ■

山下英児.jpg講師
山下 英児(やました えいじ)氏
日本料理「梅林」店主兼総料理長
横浜ガストロノミ協議会 副理事長兼専務理事

IMG_9299.JPGナビゲーター
飯笹 光男(いいざさ みつお)氏(写真右)
『シェ・フルール横濱』総料理長 / 横浜ガストロノミ協議会理事長
 

開催日 2021年 8月4日(水)15時~16時30分
講 師 山下 英児 氏
日本料理「梅林」三代目店主兼総料理長
横浜ガストロノミ協議会 副理事長兼専務理事

1970年7月20日 横浜生まれ
昭和17年創業の老舗日本料理店「梅林」の長男として生まれ、子どものころから調理の下処理、魚河岸への仕入れ、下足番などの料理屋の手伝いを経験しながら育つ。
明治大学卒業後1992年より東京人形町「吉星」で3年間修行を積む。
1995年「梅林」へ戻り、1998年三代目として店主を引き継ぐ。
2019年横浜市から優れた技能職者として「横浜マイスター」に選定される。

ナビゲーター 飯笹 光男 氏
「シェ・フルール横濱」総料理長
横浜ガストロノミ協議会 理事長
辻調理師専門学校を卒業後、横浜元町・老舗フランス料理店「霧笛楼」で10年修行。
その後、藤沢・フランス料理の名店「名古屋」、横浜「メイフェアハウス」料理長を経て、199611月「エルミタージュ」をオープン。
10年間、料理長を務めた後に独立。200710月「シェ・フルール横濱」をオープン。映画「南極料理人」では料理監修を担当。
内容 かながわ野菜とうなぎを使った「うなぎの大和蒸し」、「うなぎの燻製土佐酢ジュレかけ」、「うなぎの柳川仕立て」「土鍋ご飯」の実演
地産地消への取り組み
主催 横浜ガストロノミ協議会 / 東京ガス株式会社
企画

厨BO!YOKOHAMA / フランス料理文化センター

食材協力

マイユ、エスビー食品株式会社、クリスマス・アイランド21株式会社「クリスマス島の塩」

動画撮影会場

東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」

東京ガス
最適厨房ONLINE - 業務用厨房 総合サイト
東京ガス : 厨BO!YOKOHAMA(チューボ 横浜)