活動の軌跡
開催報告
~ クラブアトラス特別協力 ~
クラブアトラスのシェフによるオンライン料理セミナー
開催報告
▲左から順に『ペタル ドゥ サクラ』難波秀行シェフ、『シェ・フルール横濱』飯笹光男シェフ、『ルメルシマン・オカモト』岡本英樹シェフ、『シェ・シミズ』清水郁夫シェフ、『ラ・ロシェル』川島孝シェフと調理アシスタントシェフの飯野和哉さん(左)と千葉涼太さん(右)、『ルヴェソンヴェール 東京』伊藤文彰シェフ、『ストラスヴァリウス』小山英勝シェフ
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2月に続き、好評の「クラブ アトラスのシェフによるオンライン料理セミナー」を講師にフレンチの名店「ラ・ロシェル」総料理長の川島 孝シェフをお迎えし、7月26日(月)に開催しました。前半の調理デモでは「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」を披露していただきました。これは川島シェフがフランス時代に最も影響を受けたという、レストラン「トラマ」(pyumirol /ヌーヴェル=アキテーヌ地方) での経験が色濃く反映されており、乳飲み仔羊やアラブスパイスの使い方、郷土食材を用いた料理法を学び、川島シェフ流に表現された一皿です。
また今回は特別に、セミナー後アンケートにお答えくださった方にスパイスミックスのサンプルが送られることになりました。これは今回の料理に用いたもので、試食していただけない参加者に少しでも参考にしていただければとシェフが用意してくださったものです。
セミナー開始前の準備では、同店の調理スタッフのお二人に、丁寧に的確な指示を出しながら手際よく仕込みを進めていらっしゃいました。
レシピはこちら → 川島シェフレシピ7月26日クラブアトラスのシェフによるオンライン料理セミナー.pdf
▲完成したお料理「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」
手前左よりパスティア、焼きカブ、クスクススムールとエスプーマソース(9種類のスパイス入り)の上に盛り付けられた低温調理された仔羊のロース肉、仔羊腿肉のコンフィとサラダ、スベリヒユなどのハーブ、バジルオイルとソース・ダニョ
▲フォンダニョー、トマト、スパイスを加え、約2時間かけてゆっくり火入れされた仔羊の腿肉のコンフィ
▲骨から外し、切り分け、キャセロールに入れ、ジュ・ダニョーでアロゼしながらオーブンで焼き色を付けて仕上げる
▲トウモロコシを加えたクスクススムールの上にエスプーマソースを絞り出す
完成した料理は、同じ「トラマ」で修業した経験があり、仔羊に造詣が深い「クラブ アトラス」メンバーの岡本英樹シェフ(『ルメルシマン・オカモト』)に試食、コメントをいただきました。
▲(左より)プロならではの試食コメントを視聴者に伝える岡本シェフ。
川島シェフのデモンストレーション中は、飯笹シェフによるナビゲーションで調理や食材仕入れ方法などを質問しながら進められました
▲小さなパイのような「パスティア」はアラブが発祥の料理。異文化の美味しさを積極的に取り入れるフランス。現地での経験を活かした川島シェフならではの一皿
▲クスクススムールの上にシェフオリジナルのスパイスミックスを用いた泡のエスプーマソースと、マスタード、イタリアンパセリを纏った仔羊のロース肉
▲仔羊腿肉のコンフィ
骨付のまま調理される。一晩アセゾネし、コンフィにしたらまた一晩そのまま冷ます
入手できれば、乳飲み仔羊で行うはずだったのですが、時期的に難しく、今回は仔羊で行いました。それでも驚くほどの柔らかさです。川島シェフ曰く、乳飲み仔羊だともっと柔らかいのだそう。
仔羊のロース肉は香草と共に真空マリネ後、1時間低温で火入れし、その後、表面にマスタードを塗り、パセリを混ぜた緑のパン粉を纏わせて、最後の火入をして仕上げます。切り分けられたロース肉は、セルクルで丸く抜いたクスクススムール、その上にエスプーマで絞り出されたトマトやマスカルポーネ、9種類のスパイスなどの入ったソースの上に盛り付けられました。エスプーマソースはエスブレットピーマンが想像よりもピリリと効き、絶妙なアクセントになっています。
クスクスやソースにも用いられていたトウモロコシは夏の季節感とお料理に甘みを加えていました。
さらに、川島シェフ自ら前日に農園で採集して持ち込んで下さったハーブやサラダ。一日経ってもパリっとして新鮮。青々とした香草やサラダがさらに色と香りでお皿を引き立てます。
▲ニイクラファーム(西東京市(旧田無市)で代々続く畑でハーブを中心に年間150~200種の野菜を栽培し出荷している)のもの。
▲エスプーマソースに用いられた特製スパイスに入っている9種類のスパイスを始めとする食材
セミナー後アンケートのご協力いただいた方には本番で用いたスパスミックスのサンプルがプレゼントされた
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セミナー後半のお店作りの話では、坂井宏行オーナーシェフのもと、複数の店舗を持つ「ラ・ロシェル」総料理長の立場として実行していることや人材育成に対する思いを伺いました。さらに、フランス研修時代のレストランや各地方での写真を見ながら、レストラン経験、食文化についてもお話いただきました。
そして「クラブ アトラス」メンバーシェフより、お店の近況や、同じ業界で働く参加者の皆さまへのメッセージを発信していただきました。
■ 講師紹介 ■
1987 群馬調理師専門学校卒業後、ハウスウェディングの先駆けとして地方にオープンしたプリオパレスに入社。料理の基礎を学ぶ
1989 「ラ・ロシェル」渋谷オープニングスタッフとして入社。坂井宏行氏と出会う
1999 「ラ・ロシェル南青山」オープンと同時に副料理長に就任
2005 3年にわたりフランスで修行。フランス南西部の「ローベルガード」ではオーナーシェフミッシェルトラマ氏の下、料理に対する自由な発想や五感に響く料理に感銘を受ける
2008 帰国後「ラ・ロシェル渋谷本店」副料理長に就任
2010 「ラ・ロシェル山王」料理長に就任
2017 「ラ・ロシェル」総料理長に就任
2020 群馬県桐生市ふるさと大使に就任
最後に&感想今回も沢山のお申込みをいただきありがとうございました。定員を増設しての開催となりました。ご参加下さった皆様に感謝申し上げます。クラブアトラスの会員シェフが一人ずつ順番に講師を務めるスタイスのセミナー。川島シェフはこれまでも他のシェフのセミナーのお手伝いに駆け付けて、裏方として支えて下さっていました。その時からとても丁寧で腰の低い方だなと感じておりましたが、今回のセミナーでも打ち合わせから、レシピのやり取り、写真やスパイスなどの相談、事前の打ち合わせなど、最後までその印象が変わることはありませんでした。こちらが恐縮してしまう程、誰に対しても誠実に対応されているシェフの人柄は坂井ムッシューや「ラ・ロシェル」のスタッフ、お客様からの信頼につながっているのだろうなと感じずにはいられませんでした。
さて、お料理ですが、スタッフも最後に試食をさせていただきました。 一口、口に含んだだけで、さまざまなスパイスや味と香りが広がり、世界旅行に旅立ったような感覚になりました。パスティアはパリパリで、塩レモンの味と香りが広がり、モロッコ料理の記憶がよみがえります。またエスプーマのソースはエスプレットピーマンが想像以上にしっかり効いています。クスクス、トウモロコシ、ソース、ロース肉と数えきれないほどの食材が一つに調和していてコンフィもロース肉も驚くほどの柔らかさです。次回はゆっくりワインと合わせてシェフのお店で味わってみたいと思います。 このセミナーを支えてくださったクラブアトラスのシェフの皆さま、ラ・ロシェルの皆さま、ありがとうございました。(FFCC・厨BO!スタッフ) |
今後もクラブアトラスとコラボしたセミナーを開催していく予定です。皆様のまたのご参加をお待ちしております。どうぞお楽しみに。
※「クラブ アトラス」フランス料理に携わる役職者・管理的立場を有する者が集まり、次世代へ料理技術指導、情報共有を行いフランス料理を継承していくことを目的とする会(会長:「ラフィナージュ」オーナーシェフ 高良 康之氏)
https://club-atlas.jp/
■ 講習会概要 ■
開催日 | 2021年 7月26日(月)15時~16時30分 |
講 師 | 川島 孝 氏(かわしま たかし) 「ラ・ロシェル」総料理長 クラブアトラス 会員 |
ナビゲーター | 飯笹 光男 氏 「シェ・フルール横濱」総料理長 クラブアトラス 会員 |
内容 | 調理実演「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」 お店づくりについて |
主催 | 東京ガス株式会社 / FFCCアミティエ・グルマンド |
企画 |
厨BO!YOKOHAMA / フランス料理文化センター |
特別協力 |
クラブアトラス |
食材協力 |
マイユ( maille )、クリスマス・アイランド21株式会社「クリスマス島の塩」 |
動画撮影会場 |
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」 |