活動の軌跡
開催報告
「クープ・ジョルジュ・バティスト」サービス世界コンクール東京大会開催
2012年11月6日~9日に、「クープ・ジョルジュ・バティスト(CGB)」サービス世界コンクール東京大会が開催されました。「クープ・ジョルジュ・バティスト」協会(会長:フランク・ランギーユ)は、1961年以来、サービス分野の学生、プロフェッショナルに向けてコンクールを開催し、発展を続けてきました。2000年より世界大会を開催、第5回目の今回は東京を開催地に、世界14ヶ国が参加を表明。選手、コーチ、関係者等約70名が来日しました。
審査員はMOF(フランス国家最優秀職人章)を含むCGB協会のメンバー11名が来日し、また日本から「メートル・ド・セルヴィスの会」、「全日本メートル・ド・テル連盟」ほか、第一線で活躍するプロフェッショナルたちが担当しました。11月8日、ロイヤルパークホテルで行われたコンクールでは多くの観客が見守る中、熱い戦いが繰り広げられました。
翌日の11月9日に行われた授賞式では、プロ部門では日本代表の宮崎辰さん(シャトーレストラン ジョエル・ロブション)が見事優勝の栄誉に輝きました。
コンクール、記念ガラディナーとも日本各地から協力スタッフが集結。多くのアミティエ会員にもご参加いただきました。ありがとうございました。
「クープ・ジョルジュ・バティスト」サービス世界コンクール東京大会概要
【参加人数、参加国】
- 参加国:14ヶ国 (学生部門:13カ国、プロ部門:11カ国)
アイルランド、エストニア、カナダ、スイス、スペイン、スロベニア、デンマーク、
日本、フィンランド、フランス、ベトナム、ポーランド、ポルトガル、ルクセンブルク
【コンクール審査について】
- 審査員は4名で構成(CGB協会、来日学校の教授、日本側審査員、特別審査員の日本ソムリエ協会、バーテンダー協会)。
但し、母国の選手の課題の際には審査資格はなくなり、その都度外れる。
主な審査ポイント
- 各課題の主な審査ポイントで、もっとも配点比重が大きいのは、「プロフェッショナルとしての態度(Attitude Professionnel)」である。表情・目線・立ち振舞いの優雅さなど、プロとして必要不可欠な要素が含まれている。そして食材に関する知識の正確さと深さ/作業に必要な器材を事前にゲリドン上に揃えているか/準備からミザンプラス、清潔さと衛生、丁寧な食材の取り扱いなどを含めた、テクニックの正確さ、作業の手際よさ/食材の見せ方ならびに仕上がりの美しさを含めた、料理のプレゼンテーション/仕上がった料理の味、皿の温度管理含む/母国語以外の言語スキルならびに言葉以外の表現力/規定の時間内に作業を終了できるかどうかの時間の正確さ等が審査される。普段の仕事に欠かせない要素が細分化された審査内容となっている。審査員は客と見立てられる。課題中に審査員から矢継ぎ早に飛ぶ質問、意見等に対し、選手は笑顔でかつ優雅に、的確に、瞬時に対応しなくてはならない。
課題
- ※( )内は制限時間。やりとりは原則的に母国語以外(英語、フランス語に限る)の言語で行われた。
-
- 1) 《前菜》小海老のカクテル2人前(学生15分/プロ10分)
- 作業用のワゴン(ゲリドン)で、客前で優雅にソースを作り、綺麗にグラスの器に盛り付けていく。ソースの調味具合も大きなポイントとなる。
デンマーク・プロ代表
セーレン氏
宮崎氏の盛り付け
-
- 2) 《魚》サーモンのタルタル 2人前(学生15分/プロ10分)
- ゲリドン上でサーモン切身の皮を剥ぎ、デ(角切り)に切る。オリーブオイル、ライム汁、塩・胡椒等で味付けをし、皿に盛りつける。この課題に限らず、全てに共通していることは、まずゲリドン上を整える際、コンソールに置かれた器材、食材(主食材をのぞく)調味料、ハーブなどは分量ごとに仕分けされていない。全て自分の判断と責任で選び、適量を取ってゲリドン上に揃えてから、客前で作業を開始してゆく。
ベトナム・プロ代表 チュアン・ミン・ホー氏
-
- 3) 《肉》カレ・ダニョー 2人前(学生15分/プロ10分)
- 仔羊の骨つきロースト背肉をゲリドン上で人数分に切り分ける。人数分均等になるように均等分にカットすることや、肉、付け合せをバランスよく盛り付けることがポイント。ソースのサービスも行う。
デンマーク・学生部門優勝 クリスティーナ・ベングッドソン氏
-
- 4) 《デザート》パイナップルのスパイラル 2人前(学生15分)(プロ20分、フランベ含)
- ゲリドンでパイナップルの皮を剥き、芽をスパイラル状に取り除く。スライスして芯を抜き、盛りつける。プロは前述の作業も含め、続いてキャラメルをつくり、パイナップルに火を入れてラムでフランベ(火をつけてアルコール分をとばす)し、2人分を盛りつけていく。早く、美しい技術は勿論、姿勢や華麗なフランバージュの演出なども重要視される。
フランス・プロ部門3位 ミカエル・ブヴィエ氏
-
- 5) 《コーヒー》アイリッシュコーヒー 2人前(学生15分/プロ10分)
- ネスプレッソマシーンでコーヒーを入れ、温めたアイリッシュウィスキーと生クリームでアイリッシュコーヒーを2人分つくる。審査には(社)日本バーテンダー協会の酒向 明浩氏も加わった。
カナダ・世界大会学生部門2位 マキシン・ルノー氏
-
- 6) 《カクテル》(学生15分/プロ10分)
- 課題は事前に告知されており、当日、抽選によって指定されたショート、ロング各5種のカクテルから抽選で各1種ずつをつくる。正しい材料、配分で作成されているかどうか、レシピを説明する。本物さながらのバーカウンターがしつらえられ、スツールに審査員が腰掛け、近距離でカクテルを作成する。審査には(社)日本バーテンダー協会 岸久会長たちが担当した。
・ショートドリンク:ダイキリ、サイドカー、グラスホッパー、マルガリータ、ホワイトレディ
・ロングドリンク:ブラッディ・メアリー、シャンパンカクテル、カイピリーニャ、ネグローニ、テキーラ・サンライズ
学生部門5位と健闘した河野秀次郎氏
-
- 7) 《オーダーテイク》(学生、プロ共に15分)
- 審査直前にカルトが渡され、15分で内容を把握する。料理、使われる食材、料理の名前の由来など、これまでの知識、経験を頼りにメニューをマスターする。
4人の審査員を客に見立て、注文をとっていく。「お薦めの魚は?」「どんな料理なの?」「先ほど注文した料理はやめて変更したい」「この料理に合うワインは?」審査員からの難題に次々答えていく選手達。客の好み、気持ち、立場も汲みとりながらリードしていく。最後は「ボン・ド・コマンド(オーダーシート)」に注文内容を外国語で記入し、提出する。ボン・ド・コマンドはただ料理の注文を記すだけでなく、変更やキャンセルなどもきちんと反映されていなくてはならない。
エストニア・プロ部門 ティウー・パーム氏
-
- 8) 《ワイン、アルコールの試飲》(学生15分/プロ10分)
- 選手には事前に白ワイン、赤ワイン、アルコール各3種を告知されており、当日は抽選で指定された各1種ずつをブラインドで試飲し、外国語でコメントする。審査員は(社)日本ソムリエ協会の荒井基之氏を筆頭に、外国人審査員もエキスパート揃い。
スペイン・学生部門3位 ラウラ・デルガド氏
-
- 9) 《テーブルセッティング》(プロのみ20分)
- 3種のテーマ(結婚記念日、葡萄収穫祭、クリスマス)の中より、抽選で1テーマが指定され、2名分のテーブルセッティングを行う。
仕込み台には必要器具、食器・グラス類、テーブルを彩るデコレーショングッズ、花等が用意されており、各々テーマに沿ってテーブルを完成させてゆく。フラワーアレンジメントも審査に含まれる。コミを上手に使い、作業台に道具を揃えてゆく。同じテーマでも、選手によってまったく違う完成テーブルとなり、国柄、個性が表現される課題であった。又、テーマに沿ったメニューも用意し、提案する。
プロ部門優勝の宮崎辰氏
-
- 10) 《筆記試験》(学生のみ30分)
- サービスについての全般的な知識、社会・文化などの一般常識を問う。40問、選択式。
【参加人数、参加国】
アイルランド、エストニア、カナダ、スイス、スペイン、スロベニア、デンマーク、
日本、フィンランド、フランス、ベトナム、ポーランド、ポルトガル、ルクセンブルク
【コンクール審査について】
但し、母国の選手の課題の際には審査資格はなくなり、その都度外れる。
主な審査ポイント
課題
- 1) 《前菜》小海老のカクテル2人前(学生15分/プロ10分)
- 作業用のワゴン(ゲリドン)で、客前で優雅にソースを作り、綺麗にグラスの器に盛り付けていく。ソースの調味具合も大きなポイントとなる。
デンマーク・プロ代表
セーレン氏
宮崎氏の盛り付け
- 2) 《魚》サーモンのタルタル 2人前(学生15分/プロ10分)
- ゲリドン上でサーモン切身の皮を剥ぎ、デ(角切り)に切る。オリーブオイル、ライム汁、塩・胡椒等で味付けをし、皿に盛りつける。この課題に限らず、全てに共通していることは、まずゲリドン上を整える際、コンソールに置かれた器材、食材(主食材をのぞく)調味料、ハーブなどは分量ごとに仕分けされていない。全て自分の判断と責任で選び、適量を取ってゲリドン上に揃えてから、客前で作業を開始してゆく。
ベトナム・プロ代表 チュアン・ミン・ホー氏
- 3) 《肉》カレ・ダニョー 2人前(学生15分/プロ10分)
- 仔羊の骨つきロースト背肉をゲリドン上で人数分に切り分ける。人数分均等になるように均等分にカットすることや、肉、付け合せをバランスよく盛り付けることがポイント。ソースのサービスも行う。
デンマーク・学生部門優勝 クリスティーナ・ベングッドソン氏
- 4) 《デザート》パイナップルのスパイラル 2人前(学生15分)(プロ20分、フランベ含)
- ゲリドンでパイナップルの皮を剥き、芽をスパイラル状に取り除く。スライスして芯を抜き、盛りつける。プロは前述の作業も含め、続いてキャラメルをつくり、パイナップルに火を入れてラムでフランベ(火をつけてアルコール分をとばす)し、2人分を盛りつけていく。早く、美しい技術は勿論、姿勢や華麗なフランバージュの演出なども重要視される。
フランス・プロ部門3位 ミカエル・ブヴィエ氏
- 5) 《コーヒー》アイリッシュコーヒー 2人前(学生15分/プロ10分)
- ネスプレッソマシーンでコーヒーを入れ、温めたアイリッシュウィスキーと生クリームでアイリッシュコーヒーを2人分つくる。審査には(社)日本バーテンダー協会の酒向 明浩氏も加わった。
カナダ・世界大会学生部門2位 マキシン・ルノー氏
- 6) 《カクテル》(学生15分/プロ10分)
- 課題は事前に告知されており、当日、抽選によって指定されたショート、ロング各5種のカクテルから抽選で各1種ずつをつくる。正しい材料、配分で作成されているかどうか、レシピを説明する。本物さながらのバーカウンターがしつらえられ、スツールに審査員が腰掛け、近距離でカクテルを作成する。審査には(社)日本バーテンダー協会 岸久会長たちが担当した。
・ショートドリンク:ダイキリ、サイドカー、グラスホッパー、マルガリータ、ホワイトレディ
・ロングドリンク:ブラッディ・メアリー、シャンパンカクテル、カイピリーニャ、ネグローニ、テキーラ・サンライズ
学生部門5位と健闘した河野秀次郎氏
- 7) 《オーダーテイク》(学生、プロ共に15分)
- 審査直前にカルトが渡され、15分で内容を把握する。料理、使われる食材、料理の名前の由来など、これまでの知識、経験を頼りにメニューをマスターする。
4人の審査員を客に見立て、注文をとっていく。「お薦めの魚は?」「どんな料理なの?」「先ほど注文した料理はやめて変更したい」「この料理に合うワインは?」審査員からの難題に次々答えていく選手達。客の好み、気持ち、立場も汲みとりながらリードしていく。最後は「ボン・ド・コマンド(オーダーシート)」に注文内容を外国語で記入し、提出する。ボン・ド・コマンドはただ料理の注文を記すだけでなく、変更やキャンセルなどもきちんと反映されていなくてはならない。
エストニア・プロ部門 ティウー・パーム氏
- 8) 《ワイン、アルコールの試飲》(学生15分/プロ10分)
- 選手には事前に白ワイン、赤ワイン、アルコール各3種を告知されており、当日は抽選で指定された各1種ずつをブラインドで試飲し、外国語でコメントする。審査員は(社)日本ソムリエ協会の荒井基之氏を筆頭に、外国人審査員もエキスパート揃い。
スペイン・学生部門3位 ラウラ・デルガド氏
- 9) 《テーブルセッティング》(プロのみ20分)
- 3種のテーマ(結婚記念日、葡萄収穫祭、クリスマス)の中より、抽選で1テーマが指定され、2名分のテーブルセッティングを行う。
仕込み台には必要器具、食器・グラス類、テーブルを彩るデコレーショングッズ、花等が用意されており、各々テーマに沿ってテーブルを完成させてゆく。フラワーアレンジメントも審査に含まれる。コミを上手に使い、作業台に道具を揃えてゆく。同じテーマでも、選手によってまったく違う完成テーブルとなり、国柄、個性が表現される課題であった。又、テーマに沿ったメニューも用意し、提案する。
プロ部門優勝の宮崎辰氏
- 10) 《筆記試験》(学生のみ30分)
- サービスについての全般的な知識、社会・文化などの一般常識を問う。40問、選択式。
プロ部門 / Professional Categorie
順位 Place |
氏名 Name |
国 Nationality |
勤務先 Company |
---|---|---|---|
優勝 Winner |
宮崎 辰 Mr. Shin MIYAZAKI |
日本 Japan |
シャトーレストラン ジョエル・ロブション Château Restaurant Joël Robuchon |
2位 2nd |
セーレン・オルベック・レデット Mr. Søren Ørbek LEDET |
デンマーク Denmark |
レストラン「ゼラニウム」 Restaurant 《 Geranium 》 |
3位 3rd |
ミカエル・ブヴィエ Mr. Michaël BOUVIER |
フランス France |
ラ・ピラミッド La Pyramide |
学生部門 / Student Categorie
順位 Place |
氏名 Name |
国 Nationality |
学校名 School |
---|---|---|---|
優勝 Winner |
クリスティーナ・ベングッドソン Ms. Kristina BENGTSON |
デンマーク Denmark |
コペンハーゲン・ホスピタリティ・カレッジ Copenhagen Hospitality College |
2位 2nd |
マキシム・ルノー Mr. Maxime RENAUD |
カナダ Canada |
フィエールブルグ職業訓練校 Fierbourg Vocational College |
3位 3rd |
ラウラ・テレッサ・デルガド Ms. Laura Teresa DELGADO |
スペイン Spain |
マドリッドホテル観光学校 Escuela Superior de y Turismo. Madrid |